NHK-BS 「七人の侍」 [黒澤明]

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http://www.asahi-net.or.jp/~zc2t-ogw/MKHome/AKHome/AKHome.htm
8時頃からやっていた黒澤明「七人の侍」を冒頭少しだけ出遅れて最後まで3時間半見る。どうしても途中で席を立てない。

見始めたのはタイトルが終わり、野伏り達が襲う村を眺めて

「刈り入れが終わったら来るのだ!」

と叫んで去っていく後姿から見た。そこから「休憩」で一度トイレに行く以外動けなかった。昨夜か一昨夜の「用心棒」は前半でやめたのだが。可哀想な司葉子が登場する所から後半がややもたれる気がする。土屋嘉男の妻役。「七人」の土屋嘉男の妻も可哀想であった。可哀想な女の描写の問題であろうか。

もう何度も見たが、再発見は相変わらず多い。

1)後半、最後の決戦前夜の勝四郎と志乃の逢瀬の場面で志乃の着衣が女子のものであったと気づいた。
2)二人の交際が発覚してもめた後、雨が降ってくるときに焚き火に雨が降りかかるが、以前は水溜りに降ったと思っていた。「水溜まりに突き刺さるような雨」という記述を読んだ記憶がある。今漫画の「クロサワ」を見たらやはり焚き火であった。確かに焚き火にかかる雨はよく見えていた。あれが「砂糖湯」か。
3)よくよく知ったストーリーのせいか、全体にすらすらと流れるように鑑賞出来た印象がする。
4)ラストシークエンスの勝四郎と志乃とのすれ違いから勘兵衛と七郎次の芝居が悠々としているが、その直後の幕切れが意外にあっさりしていると感じたのも何度も見ているからか。
5)勘兵衛が、協力依頼を受ける場面で案外すんなり了承していた。もう少し描写がねちっこかった気がする。
6)道中菊千代が魚を捕まえて火にかけるが食べる場面まではなかった。食べるところを見た記憶のミス。
7)勘兵衛に切られる盗賊が東野英治郎に似ていたが違うだろう。(付記・東野英治郎であった。ひどく若い。がやはり東野英治郎。2009/5/7)
8)息子を殺された老婆のせりふは確かに吹き替えで口が合っていないがカットが変わって後半は映らないのでそれほど違和感はない。
9)決戦で刀で人を切る擬音が入っているのがあれが後年に入れたものであろう。
10)菊千代の「系図」から勘兵衛が年齢を言うところの台詞が聴き取り難かった。
11)勘兵衛の想定年齢はあれでも40代~50代であろうか。にしてもよく走りよく動いているのはさすが。全員そう。冬場の撮影であの薄着は確かに厳しかろう。

画面の隅々にまで満ち渡る充実感。熱気。熱気は「静かなる闘い」「酔いどれ天使」「野良犬」の時代の方が高いが。

練りに練られた脚本の力。まったくだれ場がない。かといってきゅうくつではない。すべての時間はゆったりと流れているが無駄がない。
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私には夢がある。いつかゴルゴダの丘の上で老いも若きも美しい者も醜い者も分け隔てなく交際し交わり合っているという夢が。夢は夢のまま果てるのであろうか。

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